韓国語のABCは「かなだら」
韓国語にも、英語の「ABC」のように、文字を覚えるための順番があります。
「かなだら」といわれるものです。一回、聞いてみましょう。
가.나.다.랴.마.바.사.아.자.차.카.타.파.하.日本語ネイティブの方には、最初は以下のように聞こえると思います。
가 나 다 라
마 바 사
아 자 차 카
타 파 하
今聞いた「かなだら」ですが、全ての音は、「あ」の母音で終わっています。
日本語のひらがな表でいうと「あかさたな」の方の「ア行列」です。
また、ハングルの文字を見えると、右側が全て「ㅏ」で終わっているのがわかるかと思います。
「ㅏ」は母音の「ア」
このㅏが、母音のアを表します。
ローマ字でいうと、ka, na, da, ra,のaの部分です。
【ㅏの書き方】
たて棒が先で、次にたて棒の真ん中から右に短い棒を引きます。
ハングルは子音と母音と組み合わせ
ローマ字の「ka」が、子音「k」と母音「a」で構成されるように、ハングルも子音と母音で構成されます。
ㅏの左部分は、ローマ字の、k,n,d,r…にあたります。
したがって、母音と子音を覚えてしまえば、その組み合わせでほぼ全てのハングルを読むことができるようになります。
しかも、子音も母音もほとんどは1,2画で書けてしまうもので、ひらがなよりもシンプルです。
ただ、このシンプルさが逆に、「記号みたいで覚えにくそう」と、食わず嫌いをおこさせてしまうケースもあるようです。しかし、慣れてしまえば大丈夫です。
では、今度はハングル文字の構造に注目しながら、もう一度「かなだら」を聞いてみてください。
ka na da ra ma ba sa
a ja cha kha tha pha ha
ABCソングのように、カナダラソングというのをいくつか紹介します。
「かなだらまばさ、あじゃちゃかたぱは」までくちずさみながら、子音列を覚えてしまえるといいですね!
かなだらの解説「かなだらまばさ、あじゃちゃかたぱは」
「か(가)」
「かなだら」の一番初めの文字「か」からみていきましょう。
ハングルは、ローマ字のように子音と母音の組み合わせでできていました。
「か」はローマ字だと「ka」で、子音「k」と母音「a」からできています。
ハングルでは、aを表す文字はㅏでした。
では、kを表すハングルを覚えれば、「か」を作ることができます。
kを表すハングルは、ㄱです。
ㄱ = k
ㄱ + ㅏ = 가
刀(カタナ)という漢字の一画目の最後を、はねずに、左上に「はらう」ように書きます。
文字の覚え方としてもに「ㄱ」は、「カタナのカ」と覚えると覚えやすいかもしれませんね?^^
가(行け(命令形))
「な(나)」
「な」はローマ字表記で「na」です。
nを表すハングルを覚えれば、「な」になります。
ㄴ = n
ㄴ + ㅏ = 나
【ㄴ の書き方】
カタカナの「レ」のように上から下におろした後、右上に「はらい」、一画で書きます。
ㄴを使った単語
나 (na) わたし
나가 (naga) 出て行け(命令形)
「だ(다)」
「かなだら」の次の文字、「だ」を学びましょう。
ローマ字の d を表すハングルはㄷです。
ㄷ = d
ㄷ + ㅏ = 다
【ㄷの書き方】
区役所の区という漢字の「かまえ」だけ書くように、一画目を左上から右に横棒を書き、二画目を左端から下にさげて右に持っていきます。
「だ(da)」と「た(ta)」の違い
今、「だ」と習った「다」ですが、この「다」は「た(ta)」とも発音します。
つまり、「だ」と「た」は同じ文字です。
では、どうやって「だ」と「た」を使い分けるのでしょうか。
区別はシンプルです。文字の先頭にあれば「た(ta)」2番目以降なら「だ(da)」です。
濁音化ルール
この2番目以降の文字を濁音化するルールを濁音化ルールといいます。。
このルールは、「다」だけでなく、濁音化する文字は、他の文字も同じです。
例えば、最初に習った「가」(か/ka)。
実はこの字も、「다」と同様、位置によって(か/ka)とも(が/ga)とも発音します。
かなだらの「か」は一番先頭の言葉なので濁音化せず、2つ目以降である「た」は「だ」になったのです。
テンテンのない文字は濁音化しないので、「な」は、そのままです。
もしも、「가」と「다」の順番が逆だったら、「かなだら」でなく「たながら」です。^^
難しいようですが、これと似たような例は日本語にもあります。
「川」は、「かわ」と発音しますが、前に名前がついて「江戸川」となると「(エド)がわ」と発音します。
「達(たち)」も「友達」になると「(とも)だち」と発音したり、「言葉」も「ことは」でなく「ことば」、「忍者」も「にんしゃ」でなく「にんじゃ」など。。
探してみると、日本語の中にも多く見つけることができます。
濁音化する子音は、「ㄱ」と「ㄷ」を含めて4つです。
残りの2つは、また出てきた時にご説明します。
ㄷの書き方
上の横棒「一」を書いた後、線の左から下に少しおろして右の伸ばし、上の線と同じ長さの線を引く。
ハングルの書き順は、漢字の書き順ルールとほぼ同じなので、漢字になれている私たちにとっては、そんなに難しくないと思います。けれど漢字を知らない西洋人なら、一筆書きで書きたいところかもしれませんね。
ㄷを使った単語
가다 (kada) 行く
나다 (nada) 出る
나가다 (nagada) 出ていく
나가 (naga) 出ていけ
動詞の原型には、最後に「다」が付きます。
ちなみに、韓国語を英字で表記する時は文頭でも濁音で表記します
例えば、
ピビンパプ ⇒英語表記は bibimpap
カンナムスタイル ⇒英語表記は gangnam style
「ら(라)」
「ら」の子音 r は、ㄹです。
ㄹ = r
ㄹ + ㅏ = 라
ちなみに、日本でも人気のある「辛ラーメン」ですが、
ラーメンは韓国語でラミョンと言い、「ラ」には、この「라」を使います。
「ラー」の伸ばし棒「ー」は、日本語特有のものらしく、韓国語にも伸ばし棒はありません。
「ラ」も「ラー」も、「라」の一文字だけ使用します。
そういえば、ラーメンの器のふちにある「雷文」という模様、この「ㄹ」を横に倒したような模様ですね。
ㄹを覚えるのに、この模様を思い出し、「ラーメンのラ」と思えば、覚えやすいかもしれませんね?
【ㄹの書き方】
日本語の己(おのれ)という漢字と同じ書き順で、3画で書きます。
「ㄱ」を書いたあと「ㄷ」を書くような書き順です。
漢字を知らない西洋人なら一筆書きしてしまいたいところかもしれませんね。。
* 라 に濁音化はありません。
ㄹを使った単語
나라 (nara) 国(くに)
가라 (kara) 行け(命令形)
나가라 (nagara) 出ていけ(命令形)
「ま(마)」
「ま(ma)」です。
ㅁ = m
ㅁ + ㅏ = 마
【ㅁの書き方】
口(くち)という漢字と同じ書き順で3画です。
左の横棒を上から書き、次に「ㄱ」のように書き、下の横棒で四角を閉めます。
* 마 にも濁音化はありません。
마を使った単語
가마 窯、かま
다마 (電球の)たま
「ば(바)」
ㅂ = b/p
ㅂ + ㅏ = 바
바 は、濁音化ルールの文字です。
つまり、場所によって「ㅂ」は「ば」とも「ぱ」と発音します。
【ㅂの書き方】
タテ棒2本を左の棒から先に書きます。次に縦棒2本上の横棒から書きます。4画です。
바を使った単語
바나나 (banana) バナナ
바나나다 (bananada) バナナだ
바다 (pada) 海
바다다 (padada) 海だ
*「다」には、日本語の「だ」や「である」という意味があります。
「さ(사)」
「ㅅ」の発音は「S」です。
ㅅ + ㅏ = 사
【ㅅの書き方】
人という漢字と同じように、2画で書きます。
사を使った単語
사다 (sada) 買う
사라 (sara) 買え(命令形)
가사 (kasa) 歌詞
나사 (nasa) NASA
「あ(아)」
「あ」は英語だと母音だけで表記しますが、ハングルでは、ㅇという音を持たない子音を付けます。
ㅇ = 無音の子音
ㅇ + ㅏ = 아
「ㅇ」は数字のゼロに似ていますから、
「音のない子音はゼロ」と覚えると、覚えやすいかもしれませんね?
【ㅇの書き方】
時計の反対回りで、ひと筆でマルを書きます。
ㅇを使った単語
아가 (aga) 赤ちゃん
아마 (ama) たぶん、おそらく
아바마마 (abamama) 父上様、(王様を呼ぶ時の呼称)
「じゃ(자)」
ㅈ = j / ch
「ㅈ」も濁音化のある文字です。
「자」を一番先に発音する場合は「ちゃ(cha)」、前に音がある場合は「じゃ(ja)」と発音します。
これで濁音化の子音が、4つ全てが出てきました。
「ㄱ」 「ㄷ」 「ㅂ」 「ㅈ」
これ以上はないので、ご安心ください^^。
【ㅈの書き方】
kの子音ㄱを書き、左への「はらい」の真ん中から右側に「はらう」線を書くようにします。
ㅈを使った単語
자 さぁ、じゃぁ
~자 ~しよう
사자 買おう、ライオン(獅子)
자다 寝る
자라 寝なさい
자자 寝よう
가자 行こう
나가자 出ていこう
動詞の最後の「다」を「자」にすると「~しよう」という意味になります.
「자 가자」は、
「さぁ、行きましょう」という意味です。
激音化ルール
これまでに習ったㅈ ㄱ ㄷ ㅂ には、
文字の形も発音も似た
ㅊ ㅋ ㅌ ㅍ があります。
この4つの子音は激音といい、ㅈ ㄱ ㄷ ㅂよりも強めに発音します。
お腹から息を吐きだすように発音するのがコツです。
激音には、濁音化はありませんので、
ga, da, ba, ja という発音はありません。
【平音と激音の聞き比べ】
激音に対し、
ㅈ ㄱ ㄷ ㅂ のことは
平音といいます。
激音と平穏を聞き比べてみましょう。
激音:차 카 타 파
차. 카. 타. 파.平音:자 가 다 바
자. 가. 다. 바.「ちゃ(차)」(cha)-激音
ㅊ = ch
ㅊ + ㅏ = 차
激音 자 가 다 바と
平音 차 카 타 파の
発音を聞き比べてみましょう。
激音:차 챠 처 쳐 초 쵸 추 츄 츠 치
차. 챠. 처. 쳐. 초. 쵸. 추. 츄. 츠. 치平音:자 쟈 저 져 조 죠 주 쥬 즈 지
자. 쟈. 저. 져. 조. 죠. 주. 쥬. 즈. 지ㅊを使った単語
차 車、お茶
마차 馬車
차다 冷たい、蹴る
차차차 (ダンスの)チャチャチャ
1차, 2차 一次、二次、
「か(카)」(kha) -激音
ㅋ = kh
ㅋ + ㅏ = 카
카 と 가 の発音を聞き比べてみましょう。
카 캬 커 켜 코 쿄 쿠 큐 크 키
카. 캬. 커. 켜. 코. 쿄. 쿠. 큐. 크. 키가 갸 거 겨 고 교 구 규 그 기
가. 갸. 거. 겨. 고. 교. 구. 규. 그. 기ㅋを使った単語
카 カー(Car)
마카차 マカ茶
「ㅋ」は、外来語の表記によく用いられます。
母音はまだアしか学んでないので、アだけを使った単語例はあまりありませんが、以下のような外来語のカにも全てこの「카」を使います。
カフェ、カメラ、カカオ、マカオ、アメリカ、アフリカ、マスカラ、カード
「た(타)」(tha) -激音
ㅌ = th
ㅌ + ㅏ = 타
ㅌ と ㄷの発音を聞き比べてみましょう。
(激音)
타 탸 터 텨 토 툐 투 튜 트 티
(平音)
다 댜 더 뎌 도 됴 두 듀 드 디
【ㅌの書き方】
上の横棒を書いた後、真ん中の横棒を書きます。その後、左上から下に伸ばし、そのまま右に一番下の横棒を書きます。3画です。
ㅌを使った単語
타다 乗る
타라 乗れ(命令形)
타자 乗ろう
(まめ知識)
これも「ㅋ」とおなじく、アの母音だけでは、まだ単語例を多く出すことができませんが、やはり外来語の表記によく用いられる文字です。
タワー、タイム、タイプ、ターミナル、カンナムスタイルの「タ」になります。
「ぱ(파)」(pha) -激音
ㅍ = ph
ㅍ + ㅏ = 파
ㅍ とㅂ の発音を聞き比べてみてください。
激音
파 퍄 퍼 펴 포 표 푸 퓨 프 피
平音
바 뱌 버 벼 보 뵤 부 뷰 브 비
ㅍを使った単語
파다 ねぎだ
파다 掘る
파리 パリ(フランスの首都)
「は(하)」
ㅎ = h
ㅎ + ㅏ = 하
ㅎは激音ではないですが、息を強く吐き出して発音し、激音の特性もあります。
濁音化はしません。
ㅎを使った単語
하나 ひとつ
하다 する
하자 しよう
하마 カバ